ごあいさつ
被災地に通えば通うほど、どれだけ被災者のニーズが満たされていないかを意識し、なにもしないでいられないという気持ちが胸の中で強くなってきます。沿岸の集落では、生活に必要な建物がほとんど流された中で、行政が提供している建物は仮設住宅以外ほとんどありません。どの被災者も、「生活の場」たる建物が足りません。お金のある被災者はプリハブなどを買って自分のニーズの一部を自分で満たそうとしますが、個人所有のため「皆」が使えません。
そこで私は考えました。「建設業の経験を活かし、被災者の様々なニーズに対応できる、頑丈で組み立てやすい木製のプリハブを設計できるはずです。運休中の倉庫や工具を使って製造できます。また、国民にこのようなニーズと対策があると上手く宣伝すれば、被災者に金銭負担をかけないで提供できるはずです」と。
仮設村プロジェクトの主たる「道具」は8㎡(5畳)と10㎡(6畳)の木製プリハブです。連結すれば、被災者の利用目的に合わせたスペースが容易に確保できます。クレーン車によって移動できますので、「仮設物」の定義に合致しています。おかげで現在入手しにく「建築許可」が不要です(例外はあります)。また、構造は極めて簡単のため、プロがいなくても被災者やボランティアでも容易に短期間に組み立てられます。この箱ものに「UBC(Universal Building Cube)」という名前を付けました。長い時間を中で過ごす用途のために断熱性の高いタイプと、倉庫や物置用のタイプがあります。電気設備あり・なしも選択できます。「人のための事業」ですから、支援金を最大限に活かすべく一棟当たりの原価を抑えるように絶えず努力しています。
UBCの無償提供は、被災者の生活再建を大きく後押しします。生活が成り立てば、人口減少に歯止めがかかります。三陸海岸の文化・文明を守るためにも、貴方の力が必要です。是非仲間になって、UBCの提供を通して被災者の生活再建に貢献していきましょう。
プロフィール・略歴
- 1960年2月
- 米国カンザス州ローレンス市で生まれ 満56歳
- 1976~77年
- オーストリア・ウイーンの国立高等学校に留学
- 1984年5月
- オクラホマ州立大学東亜研究学科卒業 学士号取得
- 1984年9月
- スタンフォード大学大学院東亜研究学科入学(National Resource Fellowship奨学生)
- 1985~86年
- 日本研究センター 留学(日本国際交流基金奨学生)
- 1986~87年
- 東京大学大学院相関社会科学学科 大学院研究生(文部省奨学生)として中曽根康弘の政治史を研究し、スタンフォード大学の修士論文を作成
- 1986~87年
- 通産省大臣官房企画室でアルバイト(会議資料の翻訳など)
- 1987年 5月
- スタンフォード大学大学院東亜研究学科 修士課程修了
- 1987年 4月
- 三菱商事株式会社 入社 化学品グループに勤務
- 1992年 2月
- 山口昌子と結婚
- 1993年12月
- 三菱商事株式会社 退職、山形へ
- 1994年 1月
- 山口建設株式会社 入社
- 1994年 8月
- 日本国籍 取得
- 1998年10月
- 山口建設株式会社 代表取締役 就任
- 2007年 5月
- 建設業を廃業し、(株)山口コーポレーションに社名変更。 代表取締役 就任
- 2011年 9月
- 「仮設村プロジェクト」を創設 代表に就任
- 2011年10月
- 東京大学大学院工学系究科 非常勤講師の委嘱を受ける